新型コロナウイルスで日本経済停滞

 

新型コロナウイルス感染症によりイベント等の開催自粛要請

新型コロナウイルスの影響で、中小企業や個人事業主が特に疲弊しております。本来は華やかなイメージが溢れる桜の咲く季節を目前にして、この先どうなるのか、国民の間には先行きが不明なことから、不安がどんどん高まっていますね。3月11日の日本株市場は、足元での乱高下の流れは落ち着きそうで、日経平均の2万円近辺でのこう着になりそうです。

令和2年3月10日、安倍総理は、総理大臣官邸で第19回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました。会議では、新型コロナウイルス感染症への対応について議論が行われました。安倍総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「1、2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際とされた新型コロナウイルス感染症の現状について、昨日の専門家会議では、爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているものの、同時に依然として警戒を緩めることはできないとの見解が、新たに示されました。
また、3月19日頃を目途に、これまでの対策の効果について判断が示される予定です。引き続き、国内の急速な感染拡大を回避するために、極めて重要な時期にあります。
政府としては、先般決定された基本方針において、イベントの開催の必要性について主催者等に検討をお願いし、またそれを踏まえて、全国規模のイベントについては中止、延期、規模縮小等の対応を要請したところですが、専門家会議の判断が示されるまでの間、今後概ね10日間程度はこれまでの取組を継続いただくよう御協力をお願い申し上げます。
また、専門家会議においては、換気が悪く、多くの人が密集し、近距離での会話や発声が行われたという3つが同時に重なった場で、より多くの人が感染していたとの知見も示されております。
国民の皆様におかれましては、こうした場所や場面をできるだけ避けていただくよう、お願いいたします。(以下、省略)」

 

引き続き、暫くはイベントの開催は自粛の方向ですね。

先日のブログでも取り上げましたが、スポーツクラブやスイミングクラブなども公共・民間問わず、休館や時短などの自粛に繋がっており、経営に打撃を与えております。

 

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プールの衛生管理について

プールは元来、不特定多数の方が水を共有して運動やレクリエーションを行う為、衛生管理等については国の基準の元で管理されております。室内換気やプール水の循環を確保し、定期的な水質検査を常時行うようになっております。そして保健所の管轄下において厳しいチェックと指導下により運営されているのが現状です。

プール水は適切に管理されていれば塩素により消毒されており、新型コロナウィルスは紫外線と熱に敏感で、56°で30 分間の加熱やエーテル、塩素消毒剤、過酸素酢酸、クロロフォルムを含む脂溶性薬剤によって有効に不活化できるとされております。また塩素による腐食防止の観点から換気も良くされているのが普通です。この為、プール水槽内に限って言えば、安全な環境であるとも言えます。

但し、更衣室で、たくさんの人が同時に更衣をする際は、密集環境になるケースが想定されます。専門家会議の指摘で、換気が悪く、多くの人が密集し、近距離での会話や発声が行われたという3つが同時に重なった場で、より多くの人が感染していたとの知見も示されているとの事で、乾燥していたり換気の悪い更衣室で、一度に多くの方が更衣し、更に至近距離でおしゃべりが盛んな状態となるようなケースは、丁度、水泳教室の前後の更衣室内がこれにあたりますね。また、エアゾルによる感染も一部してきされているようなので、屋内のジャグジーバスに浸かりながらお友達と長時間おしゃべりしていると、濃厚感染に繋がる可能性が大きいですね。

 

プールにおける水質管理(衛生基準、塩素管理手法)

1)水質基準と水質検査

(1)プールの水質基準等

プールの水質、空気(屋内プール)、照度(屋内プール、夜間使用プール)の基準は、「遊泳用プールの衛生基準について」(厚生労働省)や「学校プールの衛生管理基準」(文部科学省)に定められています。但し、水質については、原水に海水、温泉水等を使用する場合、公衆衛生上、支障がないと認められるときは適用しないことがあります。

 

(2)水質基準

水素イオン濃度は、pH 値5.8以上8.6以下であること。

pH値とは、水素イオン(H⁺)濃度の逆数の常用対数をとったものです。よってpH値が1違うと水素イオン濃度は10倍変化することになります。水には種々の物質が溶けており、理化学的あるいは生物学的作用により、その割合によって、中性、酸性、アルカリ性を呈します。pH値5.8~8.6の値は、私達が日常使用する水道水の基準と同じです。

変化の要因は水泳者による汚染の他、コンクリートのあく、浄化設備に使用する凝集促進剤及び消毒用塩素剤の影響などによるもので、汚染の増加や水質管理の不適切等の水質変化の指標となります。酸性となり、pH値が低くなると、皮膚や粘膜を刺激し、ろ過器や配管などの設備を腐食させる恐れが出てきます。また、アルカリ性となり、pH値が高くなると、塩素による殺菌力が弱まるという欠点があります。消毒用塩素剤に塩素化イソシアヌル酸を使用しているプール施設では、pH値が極端に低くなる場合があるので、pH値の確認を怠らないようにし、補給水の増量等、適正な維持管理が重要です。

 

濁度は、2 度以下であること。

水の濁りの程度を示したもので、精製水1ℓ中に標準カオリン1㎎が懸濁しているときの濁りを1度としています。濁りの原因は、塵埃、人脂垢、付着物等によります。濁度が高くなるとプールの底が見えなくなり、事故の発見の遅れや濁りの原因物質により眼球を傷つける恐れもあります。濁度が高い場合には、ろ過装置の適正な運転、補給水等で水質の改善が必要です。

 

過マンガン酸カリウム消費量は、1 2 mg/L 以下であること。

主として水中の有機物によって消費されるKMnO4の量をいいます。プールでは、垢、付着物、人脂、鼻汁、痰、水着の色素、化粧品、藻、水中での排尿、空気中からの塵埃等が原因する有機物が増大すると、この値が高くなるため汚染の指標となります。この値が高い場合は、ろ過装置の適正な運転、補給水の増量及びプール利用者に対するシャワーの励行の指導等を行い、水質を改善する必要があります。特に、通年使用する屋内プール施設や水泳者の多いプール施設については、過マンガン酸カリウム消費量が高くなる傾向があるので、補給水を十分に注入し、プール水の換水の回数を増やす等のきめ細かい施設の維持管理が必要です。

 

遊離残留塩素濃度は、0.4 mg/L 以上であること。また、1.0mg/L 以下であることが望ましいこと。(塩素消毒に代えて二酸化塩素により消毒を行う場合には、二酸化塩素濃度は0.1 mg/L以上0.4 mg/L 以下であること。また、亜塩素酸濃度は1.2 mg/L 以下であること。)

遊離残留塩素は、水中に残留した殺菌力を有する形態の塩素の事で、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの形態で存在するものを指します。遊離残留塩素は、細菌類や消化器系病原菌等に対して殺菌効果があり、疾病予防などプールの衛生管理上、重要な意義があります。プール水中にアンモニア有機物の量が多いと、結合残留塩素が生成しやすくなって殺菌力が弱まり、トリハロメタン等の消毒副生成物の増加もあるので、遊離残留塩素の測定は、毎時1回以上必ず行い、適正な濃度管理が必要です。なお、濃すぎても悪影響があるので、1.0㎎/ℓを超えないよう保つことが望ましい。

 

大腸菌は、(試料100中に)検出されないこと。

大腸菌は、通常、人や動物の腸管内に生息しています。赤痢菌など消化器系病原菌の検出は煩雑なので、共存する大腸菌をもって汚染の指標としまう。プール水中に大腸菌が存在することは、プール水が人や動物の糞便によって汚染されている可能性を示します。水泳者に対して、シャワー等の使用の徹底を図るとともに、プール水の消毒を十分に行う必要があります。

 

一般細菌は、(試料100中に)200CFU/mL 以下であること。

一般細菌には、大腸菌よりも高い塩素抵抗性をもつものがあり、また、糞便以外の汚染のときも鋭敏に反応することが多いので、汚染指標としての感度は大腸菌よりも高いといえます。水泳者に対して、シャワー等の使用の徹底を図るとともに、プール水の消毒を十分に行う必要があります。

 

トリハロメタンは、暫定目標値としておおむね0.2 mg/L 以下が望ましいこと。

トリハロメタンは、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類の合計値であり、塩素剤と水中に存在する有機物とが反応して生成され、発がん性を示すといわれています。水道法でも基準が設定されています。

 

加温装置を設けて温水を利用する場合はプール水からレジオネラ属菌が検出されないこと。

レジオネラ属菌による感染症を防止するため、1年に1回以上検査を行い、菌が検出されないこと(10CFU未満/100㎖)を確認してください。レジオネラ属菌は循環ろ過装置や循環配管等に留まるバイオフィルム(生物膜)を増殖します。予防には、普通のプール水の消毒の他に、循環ろ過装置や循環配管等の定期的な高濃度塩素消毒や配管洗浄などが求められます。

 

(3)その他の基準 遊泳用プールの衛生基準

循環ろ過装置の処理水質は、その出口における濁度が、0.5度以下であること。(0.1度以下が望ましいこと。)

屋内プールにあっては、二酸化炭素の含有率を0.1%以下に維持できる能力を有する換気のための設備を設けること。

 

 現在、フィットネス施設では、トレーニング機器の共有により、機器の使用前後にスタッフによるアルコール消毒をこまめに行うなど徹底した安全対策が行われているようですが、スタジオでの運動プログラムでは狭い空間で、複数の集団による運動が実施されるため、各地の施設が運営を自粛されているようですね。免疫効果を高めることが自衛手段の中で、本来は健康維持・増進のための行動が制限されるとは悩ましい事です。一部、直接対面する事を避けて、ネットを活用しての運動プログラム指導の提供が積極的に活用されているとのニュースもありました。

 

プロ野球NPBもサッカーJリーグも公式戦開催が延期され、本日11日には高野連の臨時運営委員会にて19日開幕予定の第92回選抜高校野球大会の開催について開催決行か中止か判断が下されるようです。

今は「感染拡大スピードを抑える」ために、国民全員が協力しなければならない期間ですが、それをいつまで続けるのか、政治的判断が大きく問われることになりました。

 

早く終息を! これが本音なんですけどね。

皆様、引き続き、こまめな手洗いと手指消毒、うがいを行い、免疫力を高めて行動しましょう。それでは、本日はこの辺で。